
取り敢えず完成。
細かい手直し、補修、設備工事を残しているが概ね完了。全面道路との敷地高低差がほぼ3M程度あるうえ、人が通るのには充分だが、工事用機材等を運搬するには手狭な階段等、工事を進行していくうえではなかなか条件が悪くて施工にはかなり苦労したと思う。この苦労をおもんばかるとなかなか監理の目が緩くなってしまいそうなので、敢えて心を鬼にして無理難題もお願いした。(^_^;)
予算が少ないなか工事を請け負って頂けた工務店、炎天下の中で型枠、配筋作業を辛抱強くやって頂けた全ての職人さんがあってこその完成だと思う。規模こそは小さいながらも質の高い建築物を創造することが出来たことに心より感謝したい。

開口部へサッシュ枠の取り付けを行ったら最終のボード貼りも完了。後は各ボードの目地を寒冷紗パテしごき、クロス貼り、設備を取り付けたら内装完了。まぁ、簡単に書けばこんな段取りなのだが、実際は増築ということで余りにも規模が小さい為、各工程が半日、1日刻みで進むので内容の割りには結構時間が掛かった。(^_^;)
しかし、ここまで来たら外部での建築工事は無いので外構工事に着手して欲しいのだが、なかなか始まらない。(笑) 急ぐ工事というわけじゃないが、段取りが悪くて遊んでいる工程があるとちょっとイライラしてしまう。(^_^;)
元請けをして頂いている工務店と打ち合わせをして、内装仕上工事と平行して外構工事、屋根スラブの防水工事をして頂けるように交渉。さて、どうなることやら。

内装工事の下地組に突入。
吹付の断熱材を施工しているので(湿度の心配はないので)木軸組下地でも構わないのだが、念の為に軽量鉄骨であるLGS下地を選択。まぁ、これでカビによる劣化は心配しなくてもいいだろう。基本的にはプラスター・ボードと呼ばれる「石膏ボード」を張り付けるのだが、エアコン等の設備の取り付け位置、楽器をハンギングする壁にはコンパネを貼り分けるようにした。目地は全て寒冷紗パテしごきを指示し、クロスを張り付けた後も下地の目地が表面に出ないように注意した。
既に断熱は吹付ウレタンで終了しているのだが、クライアント様の要望で天井、壁面にグラスウール・マットを施工。これは断熱というよりはむしろ吸音を目的とした物。仕上げ壁と躯体壁の間での音の振動を押さえるという発想。無いよりはましだろうが、効果は懐疑的。(^_^;) 但し、費用的にそれほど高価じゃないので施工するのはやぶさかじゃないと思う。

吹付ウレタンフォームA3種
上画像:Befor(RC躯体)
下画像:After(吹付完了)
RCは絶えず表面から湿気を吐き出しているし、外内部温度差でRC表面が容易に結露してカビが発生することは確実。断熱材はRC表面に直接吹き付ける物をチョイスするようにしている。
ただこれとて個人的な感想としては、RCとウレタンフォームの接着面がどのようになっているのか気になる。検証されていないので何ともいえないので、よりベターな選択肢といったところか。但し、この施工法で今までクレームがないのも事実。
まぁ、そんな事を言い出せば今流行の「高気密高断熱」で採用される気密シート表面とか外断熱材表面はどうなるという話にもなりかねない。(笑)
さて次はいよいよ内装工事の始まりである。

RC補修中
型枠、支保工全て撤去完了。全てが現場での手作業で行われるコンクリート造、いくら細心の注意をはらおうが丁寧に作業しようが、いわゆる「ジャンカ」というコンクリートが行き渡っていない箇所が出てくるのは仕方ないこと。これは一部上場ゼネコンの施工であろうと町の工務店の施工であろうと同じ事。問題はそれをどのように補修して仕上げてやるか。
基本的にはモルタルを充填して仕上げるのだが、ただそれだけでは補修の後が目立ってとても見難くなってしまう。そこで補修した部分を周辺のコンクリートの色に合わせて塗装していく。この細かい作業を繰り返していくと画像のような目立たなくなる。
この後下地処理をして最終工程のクリアー塗装(つや消し)で躯体工事は完了。屋根スラブの防水処理はまた後日。m(_ _)m

配筋完了、コンクリート打設。
地中梁、床スラブの配筋ピッチ、定着長さ、型枠と鉄筋の空き寸法等を検査、写真撮影後にコンクリート打設を許可。
RC造というと無機質に感じられる方が多いだろうが、実は躯体が出来上がるまでには多くの人の手作業無くしては成り立たない建物である。職人さんが現場で鉄筋を組み、型枠を起し、そして多くの人間の力を合わせてコンクリートを打つ。少なくともこの工程が完了するまでは、既製品のパーツなどひとつも存在し無い。ある意味、一番人間くさい構造だと思う。
こうやって日々の進捗状況を眺めていらっしゃるクライアント様の心境はいかがだろうか、完成を楽しみに待って頂けていれば幸いである。m(_ _)m