来待ストーンミュージアム@島根
2013年 05月 01日
設計:黒川雅之+黒川雅之建築設計事務所
宍道町来待地区には凝灰質砂岩の「来待石」と呼ばれる石材が産出され、これが地場産業である国指定の伝統的工芸品、出雲石灯ろうの原材料として用いられている。日本でもまれな埋蔵地質帯で、歴史的には古墳時代の石棺に使用され中世石塔、石仏、釉薬、建材、灯ろう、石臼、かまど、棟石、墓石などにしようされた。特に江戸時代には松江藩主は御止石として許可無く藩外に持ち出しを禁じたほど重要視、松江械をはじめ城下町の至る所に来待石は使用されている。
RC打ち放しの建物は悪くはないのだが、対峙する来待石の切り出し場の圧倒的なスケールの前にはくすんでしまう。しかし、誰が設計、デザインしてもこの圧倒的な自然のパワーには太刀打ち出来るものではなかろう。まぁ、最初からスケール感違うものを比較するほうが無理な話。建築内部も空間的に取り立ててどうこういうものは無いが、この石切り場を眺めながらお茶が飲めるカフェはなかなか素敵。
それにしても館内の展示物、さすがに来待石だけでは切り口が少ない模様で、来待には関係ない鉱物や化石まで展示されているのには笑ってしまった。しかし、この鉱物とか化石が嫌いじゃないのでついつい見入ってしまう。おまけに誕生石かどうかは知らないが、8月の石ということで「ペリドート」という薄いグリーンの石までお土産として買ってしまった。ちなみにこの石、USA産というのには二度笑ってしまった。(^_^)