地域の元気をデザインする
2013年 03月 05日
日本建築学会中国支部研究発表会:伊東豊雄(基調講演)、パネリスト 浜野安宏、寺谷誠一郎、小嶋光信、徳田恭子
伊東豊雄氏の講演は20年ぐらい前に聴いたことがある。丁度、バブルの末期頃、名建築といわれる建築物が次々と取り壊されて派手なバブル建築に生まれ変わっていた、氏がそういう状況を受けて「消費の海」という論文を発表された直後ぐらいだと思う。そして今度は311の復興に積極的に関わってこられた氏が「あの日からの建築」というお題で公演されるのなら聞き逃すわけにはいかない。
基調講演の話のつかみとして海外国内等の自作の説明を始めたのかと思っていたら、結局、最後まで自作の紹介で終わってしまったのはどうよ。(^_^;) まぁ、最後辺りで一連の「みんなの家」シリーズや釜石市災害復興公営住宅案に触れてくれたのがせめてもの救い。また、日本の民家の様に「自然に開かれた環境」の話もいいが、反面、自然は突如として人間に襲いかかる事もあり、復興に関わってきた建築家として建築はそれとどう向き合うのかという話も聞きたかった。
パネルディスカッションはパネラーが最初に自己紹介も兼ねて一人が20分も喋りっぱなしで、肝心のディスカッションは時間が押して各人がひと通り質問に答えて終わりというのはどういうもんだろ。各人の火花の散るような議論を期待していただけにこちらも少々物足りなかった。それでも浜野安宏氏のはったりの効いた話、智頭町長でJCOBでもある寺谷誠一郎氏の話は面白く参考になった。