建築デザインと日々徒然


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恵比寿屋喜兵衛手控え

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佐藤雅美 著、'96年9月12日発売、講談社 刊

「物書同心 居眠り紋蔵」以来の佐藤雅美作品。氏の特徴としては緻密な時代考証を通して社会制度や風俗を描写し、町奉行や岡っ引きなどの司法・警察制度のほか医学などの題材を種々織り交ぜているところ。この作品は司法、それも裁判の手助けをする公事宿の主人を主役として当時の風俗等を丁寧に描いている。いや、さすが直木賞受賞作だけはある。

公事宿を営む喜兵衛の宿へ越後から六助という男がやって来て、兄のかわりに公事訴訟に挑むという。喜衛兵は公事師による胡散臭い話の類だろうと考え、六助に訴訟に関する事柄を教えながら手助けをするが、訴訟は複雑な様相をみせ、それに係わっている内に喜兵衛は何者かに襲われることに。六助の持ち込んだ訴訟と関係するのか?

今でこそ電話もFaxもメールもあるので資料を取り寄せるのなんて大した手間じゃないが、江戸時代となるとなかなか大変というか面倒な作業で有ったのを痛感する。特に移動手段が「徒歩」というのは何をするにも時間がかかる。まぁ、その分、現代とは時間の流れも随分ゆっくりであったのだろうけど。それにしても調べてみると当時の公事宿というのは裁判を引き伸ばして宿賃を稼ごうとする者が殆どで、作中の喜衛兵の様な者は稀であったそう。まぁ、そうでなきゃ読後感が悪くなるわな。(^_^;)
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by agharta_u_design | 2012-10-03 13:03 | Book