味処 栄清丸@笠岡
2012年 05月 23日
5月のおあそび 鮎の一膳飯
昨年公表だった鮎を今年も食べることに。鮎の解禁は6月以降なので、今回も当然ながら養殖物の鮎を使用する。昔は養殖物だと鮎に限らず色が悪かったり、臭いが芳しくなかったり、妙に油ぽっかたりで一口食べれば、いや口に近づけただけで養殖物と判り気が削がれることが多かった。しかし、最近の養殖技術の向上は素晴らしく、鮎の香りに若干不満は残るがほぼ文句なしのレベルには驚くばかり。
小鉢が昨年の卯の花から変わって鰆の真子の昆布巻とイカナゴの釘煮。鰆の真子自体は珍しい物でもなんでもないが、これを薄く味付けして昆布巻にするというのは予想外。昆布も柔らかく処理されているので、嚙んでも真子と昆布がばらけることなく綺麗に食べられるし、真子の味と昆布の旨味を同時に愉しめるのは実に嬉しい。値段の高い安いではなくこういう細かい手間を惜しまないのは立派だ。
時代小説なんかを読んでいても普通に「一膳飯屋」なんて表記が出てくるので、こちらの方でも気軽に使っていたのだが、葬儀用の用語では故人が生前使っていたお茶碗にごはんを丸く大盛りによそい、同じように生前使用されていたお箸をごはんの中央に垂直につきた物をいう。使う場所とタイミングを間違うとややこしい話になりかねないのでご注意を。(^_^;)