梅咲きぬ
2011年 05月 27日
山本一力著、'07/9/4発売、文春文庫
「だいこん」に引き続き今回も山本一力氏の作品を読むことに。600ページを越える「だいこん」に比べると350ページ弱のこちらは取るに足らんな。(。。)☆\バキ 「だいこん」は一膳飯屋が舞台だったのに比べ、こちらは品川の老舗料亭が舞台に。舞台が変われば所作も変わるのだが、その辺りもきっちり書き分けられている。かなりの時代考証をされたんだろうと思う。
不景気が続く宝暦年間、深川の老舗料亭「江戸屋」を守る三代目女将 秀弥の生き様をその娘 玉枝の視線で描く。また、四代目女将を襲名すべき玉枝は、母でもある三代目女将 秀弥や周囲の厳しくも温かい目に見守られながら、誰からも認められる老舗の女将として大きく成長してゆく。玉枝の淡い恋頃がストーリー展開に幅をつけている・・・かな。(^_^;)
「だいこん」同様、面白いので一気に読了してしまったが、どちらの主人公も舞台は違うが随分と凛とした姿勢なのが気持ち良い。職業人としての矜持を持っているのは読んでいて背筋が伸びるような思いがした。こういう主人公の設定が山本一力氏の特徴なのか、まぁ、この辺は他の作品も読んでみないと何とも言えないが。(^_^;) 取り敢えず「銀しゃり」「あかね空」「菜種晴れ」は読む予定。