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カテゴリ:Book  

  • 密約 外務省機密漏洩事件
    [ 2012-05-26 13:32 ]
  • みをつくし料理帖 夏天の虹
    [ 2012-05-11 12:42 ]
  • 上意討ち
    [ 2012-04-26 12:16 ]
  • 日本の黒い霧
    [ 2012-04-11 12:11 ]
  • 聞き屋与平 江戸夜咄草
    [ 2012-03-29 11:46 ]
  • 運命の人
    [ 2012-03-15 12:16 ]
  • 大川わたり
    [ 2012-03-03 14:57 ]
  • 初ものがたり
    [ 2012-02-16 13:28 ]
  • 相棒
    [ 2012-02-01 13:04 ]
  • みをつくし料理帖 心星ひとつ
    [ 2012-01-20 12:12 ]

密約 外務省機密漏洩事件  

2012年 05月 26日


澤地久枝 著、06年08月17日発売、岩波現代文庫刊

「運命の人」を読んだついでにもう少しリアルなもの、裁判自体にテーマをおいたものをということで、バンドのハーピストのお父上の蔵書をお借りした。正直、この手の物は以前読んだ松本清張の「日本の黒い霧」同様なかなか文章が目に馴染みにくくて読みにくいのだが、女性事務官 蓮見喜久子氏と未だに現役国会議員 横路孝弘氏煮興味があったので読み進めた。

概ね「運命の人」と同じあらすじなので省略するが、著者が女性のせいか蓮見喜久子氏に対して視点がぶれる部分があるのが全体的に読みにくくしているような気がする。これについては渡辺恒雄氏が「一方的に被害者である「無垢な女」を演じつづける蓮見さん」という表現が一番正鵠を射ていると思う。また全ての発端となった横路孝弘氏は一貫として現在も無関係を通しているのは驚くべき事だ。

それにしても「正義」というものは時の権力者によってどうにでもなるというのは恐ろしいものだ。本来の「密約」が「情交」にすり替えられて世論が誘導されていく様は圧巻。また2000年に米公文書公開でこの密約が立証されたにも関わらず、2011年9月29日の密約情報開示訴訟控訴審では「政府が文書はあったが廃棄済みで存在しないと言っているから、それを信じるしかない」という趣旨で原告は逆転敗訴している。現在、原告側は上告中なので成り行きを見守りたい。

by agharta_u_design | 2012-05-26 13:32 | Book | Trackback | Comments(0)

みをつくし料理帖 夏天の虹  

2012年 05月 11日


高田 郁 著、 '12年3月15日発売、角川春樹事務所出版

人様からお借りするのを待てずにネットで「あらすじ」を先読みしていたのだが、それでも前作同様、帯タイトルに書かれた「悲涙の第7弾」通りの内容で泣かされてしまった。(笑) まぁ、前作の「心星ひとつ」で小松原との縁組みより料理を選択するであろう事は予想が付いていたのでその辺りはさして驚くべき事ではないが、庶民と武士の縁組みの面倒さは予想外。

澪のことを思い自ら破談を周囲に告げる武士の小松原、事情を知らず澪のことを案じるつる家の人々、そして破談の真実をつる家の人々に語れない澪。それらの心労のうちに味覚を失ってしまうが、それを助ける吉原の翁屋の調理人 又次。雲外蒼天と定められた澪だがよくもまぁここまで次々と不幸がと言うのが正直なところ。ラストには野江と引き替えに又次が死んでしまうという凄さ。まるで山本一力氏の「菜種晴れ」の様。もっといえば現代の花登筺か。(。。)☆\バキ

それでも救われるのは高田 郁氏らしい登場人物がお互いを深く思いやる気持ちを片時も忘れないことか。いや、それだからお互いの思いがこんがらがって思い悩まねばならない。半年後にはどんな続編が書かれるのか楽しみに読了したら、巻末に作者の都合で続編は1年先とのこと・・・_| ̄|○ おひおひ、こんな気持ちを引きづりながら1年も待つのか、たまらんな。(^_^;)

by agharta_u_design | 2012-05-11 12:42 | Book | Trackback | Comments(0)

上意討ち  

2012年 04月 26日


池波正太郎 著、'81年05月改版、新潮社刊

久し振りの短編集、「激情」「上意討ち」「恋文」「刃傷」「雨の杖つき坂」「卜伝最後の旅」「剣友渡辺曻」「色」「龍尾の剣」「疼痛二百両」「晩春の夕暮れに」の11編。このうち剣豪ものは「卜伝最後の旅」、新選組関係が「剣友渡辺曻」「色」「龍尾の剣」。やはり個人的には短編物よりは読み応えのある長編物の方が好みであることを実感。

表題の「上意討ち」は、殿さま自身が無理を仕掛けたところから討ちたくもない上意討ちをせねばならぬようになった主人公 森十兵衛。それ故、十兵衛は相手 田中源四郎を斬りたいと思っていなかったし、なんとかして合いたくないものだと思っていた。しかし、不思議と田中源四郎と出会ってしまう。この三年間に四度も合っている。そして、五度目の出会いとなった。

なんか他でも似たような内容のものを読んだような気がするのは誤りか? 読んだ物はそのままバンドのハープに手渡していたので、同じ物を二度読んだということはない・・・はず。多分、同じモチーフで書かれていた物が他の作品のどこかに紛れ込んでいたのだろう。短編でも連続物であれば結構満足感を感じるのだが、内容がてんでばらばらの短編集はやはりのめり込めないフラストレーションを感じてしまう。次は長編じゃ!(^_^;)

by agharta_u_design | 2012-04-26 12:16 | Book | Trackback | Comments(0)

日本の黒い霧  

2012年 04月 11日


著者 松本 清張、’04年12月新装、文藝春秋

最初に書かれたのが'60年というと終戦からまだ15年しか経ていないこの時代によくこれだけの物を書くことができたと感心するばかり。清張氏曰く「当初から「占領軍の謀略」というコンパスを用いて、すべての事件を分割したのでもない。そういう印象になったのは、それぞれの事件を追及してみて、帰納的にそういう結果になったにすぎないのである。」と語っているように、占領下時代にどんな事が起こっていたのかを戦後世代の私に投げかけてくれた。

'45年8月のポツダム宣言の受諾から'51年9月のサンフランシスコ講和条約の調印までのアメリカ軍による日本占領の期間,日本国内は混沌かつ騒然とした空気に満ちていた。その背景にはGHQの統治政策の大きな転換により'46年の公職追放令から朝鮮戦争を契機としたレッドバージが色濃く見受けられる。そんな中で「下山国鉄総裁謀殺」「「もく星」号遭難事件」「二大疑獄事件」「白鳥事件」「ラストヴォロフ事件」「革命を売る男・伊藤律」「征服者とダイヤモンド」「帝銀事件」「鹿地亘事件」「推理・松川事件」「追放とレッドパージ」「謀略朝鮮戦争」など不可解な事件が続発する。

「運命の人」の「西山事件」が契機となってバンドのハーピスト氏より借り受けて読んでみたのだが、さすがにお気楽な時代小説や現代小説と違い、読み終わるのに掛かった時間は相当なもの。実際には読んでいる時間より居眠りしている時間の方が長いのだが。(^_^;) どの事件も当時の占領軍、政権中枢関わる内容なので、清張氏がどんな思いでこれを書き下ろしたのかは想像を絶するものがある。面白いとか面白くないという範疇ではなく、実に興味深い内容だった。

by agharta_u_design | 2012-04-11 12:11 | Book | Trackback | Comments(0)

聞き屋与平 江戸夜咄草  

2012年 03月 29日


宇江佐真理 著、'09年7月16日発刊、集英社

卵のふわふわ 八丁堀喰い物草紙・江戸前でもなし」以来の二冊目がこの本。今まで読んできた捕り物、料理、武士などに絡んだ内容とはかけ離れた物なので少々とつっき難そうなタイトルに腰が引ける。裏表紙にも何やら商家の御隠居さんが主役のようなことが書かれているので尚更。それでも宇江佐真理氏の優しいふわりとした文章をだけを頼りに読み始めることに。

薬種問屋の主人与平は息子たちに店を譲って隠居し、自宅の裏通りでただひたすらに人の話を聞く「聞き屋」を始める。暗い通りの中ででぽつんと小さく灯っている行灯の明かり、人々はそれぞれ抱えている心の重荷をそこで下ろしていく。アドヴァイスもしなければ何らかの策を示すのでもない、聞き料はお客の気持ち次第の志だけ。病を押しても「聞き屋」を続けていく与平自身も心に重荷を負っていた。

痛快さもなければ驚くような話の展開もなく、淡々と話は進んでいく。それでいても読後に優しく暖かい印象を与えるのは氏の筆致の素晴らしさだろう。聞き屋をする与平の心情の中に季節の移ろいを表わす表現が巧みに織り込まれていて、それが読み手の心にもすっと入ってくる。正直、予想外に面白くて驚いてしまった。出来たら一度シリーズ物も読んでみたいと思う。

by agharta_u_design | 2012-03-29 11:46 | Book | Trackback | Comments(0)

運命の人  

2012年 03月 15日


山崎 豊子 著、'09年4月24日発刊、新潮文庫出版

「白い巨塔」「不毛地帯」「華麗なる一族」「沈まぬ太陽」とTVドラマ、映画は観たことあるのだが、実際、氏の作品を読むのは初めて。過去、当時の文芸家協会の理事長だった丹羽文雄から「山崎豊子の盗作は病気」とまで言われたことが読まない理由になっている訳じゃなく、ただ単にこれまで機会が無かったというか、貸してくれる人がいなかっただけ。(。。)☆\バキ ちなみにこの「運命の人」もTVドラマは初回から録画しているので番組放送終了後一気に観る予定。いや、主人公が木村拓哉じゃなくて良かった。

沖縄返還協定に際し、公式発表では米国が支払うことになっていた地権者に対する土地原状回復費400万ドルを、実際には日本政府が肩代わりして米国に支払うという密約の情報を掴んだ毎朝新聞東京本社政治部記者の弓成亮太が社進党衆議院議員に漏洩した。これにより機密漏洩事件として裁判になるが、東京地方検察庁特別捜査部は弓成がその情報目当てに既婚の外務省女性事務官に近づき、酒を飲ませ泥酔させた上で性交渉を結んだとして、機密漏洩問題からスキャンダルへすり替えられていく。

盗作癖はともかく、実際に小説を読んでみると実に細かい描写まで為されており、ストーリーの展開も巧みで面白いとしか言いようが無い。原作がこれだけ面白ければ、ドラマ化は俳優陣さえ揃えば更に面白くなること間違い無しといったところか。木村拓哉が主演した「華麗なる一族」でさえ脇の俳優陣の素晴らしさに支えられてなかなか面白かったのを思い出した。今回は主役が本木雅弘なので安心して観られるだろうから本当に愉しみ。

最高裁判決以降は冗長な気がしなくもないが、地権者に支払われるべき土地原状回復費400万ドルは実際のところ半分も支払われていなかったなど、戦後占領統治下を含め混乱期の昭和の暗部を暴きながら立ち直っていく弓成亮太の姿は必要だったのだろうと思う。

by agharta_u_design | 2012-03-15 12:16 | Book | Trackback | Comments(0)

大川わたり  

2012年 03月 03日


'05年4月発刊、著者 山本一力、祥伝社刊

巻末の「あとがきにかえて」に書いてあるが、山本一力が処女作を助詞ひとつに至るまで書き直しをし、時代考証の誤りも可能な限り訂正したものが本作。プロット自体に手を加えられているとは書かれていないので、原型の小説のプロットはほぼ生かされた形での加筆・訂正だったのであろう。文盲の私には「あとがきにかえて」を読まなければそんなことさえ気付かなかったと思う。

主人公の大工の銀次は親方を失った失望感から博打にはまってしまい二十両もの借金を作ってしまう。その借金の利息がわりに銀次は友人を賭場に引きずり込んだが、その一家が夜逃げしてしまい銀次はおのれがやらかしたことの大きさを思い知ることになった。その後、請われて大工から呉服屋の手代に職を変えるが、借金の二十両を返すことが出来るのだろうか。

それにしてもこれが処女作ということは、どういう立場の登場人物であろうがそれに相応しい矜持を備えているという設定は一貫しているということか。まぁ、それはそれである一定の形が出来てしまいマンネリを招く可能性もあるだろうが、逆にこの小気味よさに惹き付けられる人も多いだろう。個人的には明らかに後者に属する。(笑) 池波正太郎亡き後は氏に期待して止まない。

by agharta_u_design | 2012-03-03 14:57 | Book | Trackback | Comments(0)

初ものがたり  

2012年 02月 16日


宮部みゆき 著、'99年8月出版、新潮社

あかんべえ」以来、2冊目の宮部みゆき。短編よりは読み応えのある長編者の方が好きなのだが、これはタイトル通り四季の「初もの」を切り口にして話が繋がっていくという内容で、ぶつ切りの短編集じゃなかったのは助かった。やはり江戸といえば初もの、初ものといえば料理が絡む。やはりこういう趣向が良いな思いながら読み始めたが、料理の描写部分はやはり桶並正太郎が上。(。。)☆\バキ

本所深川をあずかる岡っ引きの茂七親分は下っ引きの糸吉・権三とともに、江戸の下町で起こる不思議な事件に立ち向かう。夜っぴて屋台を開いている正体不明の稲荷寿司屋や、霊力をもつという拝み屋の日道様と呼ばれる少年など個性豊かな登場人物たちとの人情捕物話。登場する初ものは、「鰹」「白魚」「柿」「桜」ぐらいだったと思う。

同じ時代小説とは言え、宮部みゆきは他の作家とは違った香りがすると思うのは偏見か? 読んでいて常に感じるのがなんとなくミステリーっぽい雰囲気。稲荷寿司の屋台のおやじの正体、拝み屋の日道様のその後が明らかにされていないことがその原因か。まぁ、「あかんべえ」よりは随分時代小説らしかったのは有り難がったのだが。ちなみにNHKの金曜時代劇で「茂七の事件簿」として放映されていた模様。

by agharta_u_design | 2012-02-16 13:28 | Book | Trackback | Comments(0)

相棒  

2012年 02月 01日


五十嵐貴久 著、'08年1月12発刊、PHP研究所

五十嵐貴久氏の著書は「安政五年の大脱走」以来の2冊目。俄時代小説ファンの私は「これを読みたい!」という確たる信念もなく、ひたすらバンドのキーボード氏から渡される物をせっせと読んで、それを今度は同じくバンドのハーピストに受け渡すというだけ。当然、これを渡された時にはTVドラマの「相棒」が最初に頭に浮かび、それが時代小説とどう繋がるのか意味不明だった。(^_^;)

大政奉還を間近に控えた京の都、老中から二条城に呼ばれた坂本龍馬と土方歳三。将軍 徳川慶喜の暗殺未遂事件の犯人を探すように命じられた二人に与えられた時間は僅か二日間。時にいがみ合い、協力しながら、探索を続ける中、やがて真相が見えてくる。またその後の龍馬暗殺の真犯人は誰なのか、その時に土方歳三のとった行動とは。そして江戸で療養中の沖田総司の前に現れた人物とは。

幕末の京の都を舞台に、各人各様の思惑がからみ、話はスリリングに進んでいく。ちょっと躊躇いながら読み始めたのだが一気に引きずり込まれてしまった。史実には沿っているのだが、坂本龍馬と土方歳三が相棒を組むことが奇想天外なら、誰もが予想だにしなかった感動の結末もそう。時代小説をベースにしたファンタジーと思えばいいのか、それでもなかなか読み応えがあって愉しかった。

by agharta_u_design | 2012-02-01 13:04 | Book | Trackback | Comments(0)

みをつくし料理帖 心星ひとつ  

2012年 01月 20日


高田 郁著、'11年8月10日発売、角川春樹事務所刊

好きな池波 正太郎氏と比較すると明らかに軽すぎて物足りなさを感じるのだが、やはり時代小説を読み始めるきっかけとなってくれた作品だけに新刊は気になる。それと今回は一体どんな料理が登場するのか、それも気になるところ。四作目「今朝の春」に登場した「寒鰆の昆布締め」は実際に作って食べてみたが、いや、本当に美味しかった。

翁屋の楼主伝右衛門がつる家を訪れ、澪に吉原で天満一兆庵を再建しないかと声をかける。一方で登龍楼の采女宗馬からも神田須田町の店を居抜きで売るのでつる家として移ってこないかとの話を持ちかけられる。つる家の料理人として岐路に立たされた澪は決断をせまられる。また、野江との再会、そして小松原との恋の行方いかに。シリーズ史上もっとも大きな転機が澪と「つる家」に訪れる。
第1話 青葉闇―しくじり生麩、第2話 天つ瑞風―賄い三方よし、第3話 時ならぬ花―お手軽割籠、第4話 心星ひとつ―あたり苧環。

「シリーズ史上もっとも大きな転機となる」と謳われているだけあって、過去の作品からは考えられないほどストーリーは目まぐるしく展開していく。次が気になって本を置くことが出来なかったというのが正直な感想。また、巻末には登場した料理のレシピが載せられていたのには今回初めて気が付いた。この部分をコピーして栄清丸に持って行けばえぇちゅう話か。(^_^;)

by agharta_u_design | 2012-01-20 12:12 | Book | Trackback | Comments(0)