海辺のカフカ
2012年 08月 08日
村上 春樹 著、'02年9月12日 発売、 新潮社 刊
1Q84で読まず嫌いが少し収まったかもしれないと思い、引き続き長編のこの本を読むことにした。しかし、いきなりあんぐり、1Q84と同じく二人のストーリーが交互に展開されていくパターンだとは・・・個人的な問題だが、このパターンだと両方の話の展開が気になっていつまで読んでも本を置けない。(笑) 悪く言えばイライラする、まぁ、この辺りは著者の思惑にずっぽりとはまっている状態なんだろう。
主人公の田村カフカは世界で最もタフな15歳になる」ことを決意し、15歳の誕生日に家出をし香川県高松市に向かう。甲村図書館の司書を務める大島や佐伯に巡り会い、父親にかけられた呪いと向き合うことになる。一方、東京都中野区に住む猫と会話のできる不思議な老人ナカタさんは、迷い猫の捜索を引き受けたことがきっかけとなり長距離トラックの運転手の星野とともに四国に向かうことになる。
こんなストーリーでえぇんかい?というのが正直な感想。田中カフカとナカタさんを結びつけるものも無ければ、二人のストーリーが重なり合う部分もない。謎は謎のまま残されているし、解かなきゃならない謎は唐突に登場するカーネル・サンダースや黒猫が解決する始末。ギリシア悲劇のエディプス王の物語と日本の古典文学の源氏物語や雨月物語などが下書きにされていると世界中でかなり評価は高いようだが、個人的にはどこが素晴らしいのかわからない。逆に読み方を間違えているんじゃないかと不安になるほど。(^_^;)