味処 栄清丸@笠岡
2012年 07月 15日
7月のおあそび 煮穴子押寿司
梅雨を飲んで旬を迎え始めた穴子、ここいらじゃ穴子は焼く方が一般的なのだが、昨年同様、わざわざ煮穴子にしたものを軽く炙って押寿司にして頂いた。酢飯にはでんぶがサンドイッチされ、煮穴子の下には海苔が敷かれているという仕上がり。穴子自体もそうだが酢飯にまで手間を掛けて作り上げられている物が不味いわけがない。しっとりとした煮穴子の食感に、でんぶも含めて少し甘めの酢飯が良く合う。甘い寿司は嫌いなのだが、これはギリギリ許容範囲。また、押寿司だと堅めに締められてしまっている酢飯が重くて好きじゃないのだが、これはほどよい堅さで食べていて楽しい。
鱧の吸物、これも実に美味かった。加減という物を知らない店主氏が昆布と鰹をどれほど使ったのかという仕上がり。(笑) 本来なら鰹の酸味は忌むべき物だが、添えられた柚がその酸味を味に変えているのは面白い。勿論、料亭でこんな物を出されたら眉をしかめてしまいそうだが、こういうことが出来るのが栄清丸の良いところだろう。思わずお代わりをしてしまった、こんな品のないことが許されるのも栄清丸の良いところかも。(^_^;)
さて、昨年の8月は「鱧の水炊き」なんてお遊びをしたのだが、これは美味しいけどみんなで鍋を囲むのは暑苦しい、いや、実際に熱い。(笑) ということで、今年はなにやら趣向を変えて鱧と夏野菜の一人用の紙鍋ということになるそう。それをどんな趣向を凝らして食べさせてくれるのか実に楽しみ。予約さえしておけば誰でも食べられる物なので、気になる方はお店の方へ連絡してみて下さい。