岡山県営中庄団地
2012年 05月 29日
第一期:丹田悦雄 '93年竣工
第二期:阿部勤/アルテック建築研究所+岡山県設計技術センター '96年竣工
第三期:遠藤剛生 '98年竣工
第四期:㈱やなぎ建築設計事務所+岡山県設計技術センター '00年竣工
通りすがりに見ると前面道路に面して駐車場が配置されており、その後ろに住居棟が配置されているように見えるが、実際、内部に入ってみると中庭というか通路を取り囲むような形に配置されている。多分、こちらの方がメインの動線なんだろうと思う。一期から四期までそれぞれ設計者が異なるが、三期工事を担当された遠藤剛生氏は第一期、第二期にも深く関わられていたそうだ。
中庭を中心した配置計画、路地界隈を意識したような住居棟内の動線は、図らずも山本理顕氏が担当された「くまもとアートポリス」プロジェクトでの県営保田窪団地を連想させる。こちらが'91年ということなので、ある部分では意識されたのかも知れない。まぁ、それでも不連続でありながら有機的に連なる建物群はなかなか面白い景観を演出している。
県営住宅という性質上、入居者層が多種多様となるせいか、建物内部の通路はあまり整理されておらず少し残念。まぁ、これは建築が住む為の機械であるとすればある程度しかたないことで、私のような部外者が口を挟むような問題じゃないのかも知れない。しかし、優れた建築物で情報発信、まちづくりに役立てようとしたCTO(クリエイティブタウンおかやま)物件なら、もう少し管理を行き届かせてもいいのじゃないかと思う。