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建築デザインと日々徒然


by agharta_u_design
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深川黄表紙掛取り帖

深川黄表紙掛取り帖_b0159567_1355143.jpg
山本 一力 著、'05年11月15日発売、 講談社

前回読んだ「菜種晴れ」と違い、今回は痛快で爽快な気分のまま読了することが出来た。やはり映画も本もこういう内容の方が好み。なにより実在の紀伊国屋文左衛門や柳沢吉保が登場し、ストーリー展開に絡んでくるのだから物語はより一層リアルな気分で読めてしまう。「端午のとうふ」「水晴れの渡し」「夏負けの大尽」「あとの祭り」「そして、さくら湯」のどれも秀逸。

元禄時代の江戸、定斎売りの蔵秀を中心に絵草子作家の辰次郎、飾り行灯師の宗佑、絵師作家の雅乃が一致団結して厄介事等よろずを引き受け、解決していく。そんな中で雅乃は蔵秀に片思いをし、蔵秀も実は雅乃を憎からず思っている。この恋模様はストーリー後半以降に向けて段々ヒートアップしていくが、本編では結論が出ていない。続編を期待したい。

今回はどれも短編のもので構成されていたが、この主人公達の長編物を読みたいと思ってしまった。適材適所に配された四人の各人がそれぞれに知恵と趣向を凝らし、そして人と掛け合っていく様は見事。逆に言えばもう少し一筋縄で解決しないような展開が合った方がいいかも。まぁ、その辺も含めて次回作に楽しみに待ちたい・・・ってか、既に「牡丹酒」として発表されてましたわ。(^_^;)
by agharta_u_design | 2011-12-14 13:33 | Book