ライカ本社ビル
2011年 12月 03日
設計+監理:安藤忠 雄+安藤忠雄建築研究所
大阪は南港にあるアパレル企業のライカの本社ビルだが、ライカ自体は'04年に倒産してしおり、現在は廃墟となってしまっている模様。まぁ、これだけの規模の物を解体撤去するだけでかなりの費用が掛かるだろうからそれも難しいだろうし、かといって改修して使うにしてもかなり巨大なアトリウム等を持っているので維持費を考えれば今の景気じゃ難しいのか。
初めて訪れた時は竣工から数年経ったぐらいで、尚且つ某団体の「視察」という名目で出掛けたので内部まで丹念に見学することが出来た。シリンダー状のガラスブロックの壁に沿うように上昇していくスロープが実に印象的だった。また圧倒的な空間を支えるRC壁の厚さが優に60センチ以上もあり、その壁自体も強力な存在感を示していたのに感心した。まさに初期の安藤氏らしい作品。
しかし、あらためてこうやって書いていると自分自身、やはりこの時期の氏の作品が一番共感出来る。軸線をずらした平面計画により、次々と異質な空間が目の前に飛び込んでくる醍醐味は何にも代え難い。不合理が内包するテンションから醸し出される独特の美しさとでもいうのであろうか、いや、何を書いているのか収拾が付かなくなりそうなのでこの辺りで。(^_^;)