武士の家計簿
2011年 09月 11日
'10年12月4日公開日本映画、主演 堺雅人 仲間由紀恵、監督 森田芳光
新潮新書から'03年に発刊された歴史学者磯田道史著『武士の家計簿 「加賀藩御算用者」の幕末維新』の映画化。これが公開された当時は今のように時代小説にはまっていなかったのだが、TVCMを見てレンタルが開始されたら観たい!と思ってしまった理由はわからない。'04年にNHKの大河ドラマ「戦線組!」に山南敬助役で出演していた堺雅人が気に入っていたせいかも知れない。「南極料理人」や「クヒオ大佐」なんてのもレンタルして観たか。(笑)
親から孫に渡る三代の物語。猪山信之(父)から家督を譲り受けた直之(息子)は、猪山家は借金整理を決意する。家財を売り払い収入、支払いを記載する入払帳がつけることにより倹約を始めた。そのことにより武士の体面を傷つけることもあったが、なんとか返済への道を歩み出す。そんな直之に批判的だった成之(孫)は兵站事務に才能を発揮し、加賀藩の京都禁蕨闕守衛諸隊仕切り、その後、軍務官会計方とし新政府軍の財政を支えた。
時代小説にはまっている今だからこそ、より当時の武士の財政状況が厳しいものだったことがよく判る。当時の武士の暮らし、習俗、とくに武士身分であることによって生じる祝儀交際費などのに関する項目や、江戸末期の藩の統治システムが具体的に描かれており興味深い。派手さは全然無いが、テンポの良い展開なので飽きることなく最後まで観られた。いや、時代小説にはまっていなかったらどう感じたかは・・・ちと判らない。(^_^;)