永遠の0
2011年 09月 06日
百田 尚樹 著、'06年8月24日発売、太田出版
正直、戦争物もお涙頂戴の恋愛物も興味はない。それでも読書傾向が似ている友人二人が絶賛していたし、勧めてくれたのと丁度終戦の時期に被ったのでめくって見る気になった。まぁ、ご覧の様に表紙デザインが結構垢抜けて綺麗なのもその気にさせられた要因かな。時代小説にはまるきっかけになった「みをつくし料理帖」なんてまさに表紙デザインにいかれたかも。(^_^)
祖母の死をきっかけに司法修習浪人中の弟とライターの姉が、神風特攻隊で戦死した祖父・宮部久蔵のことを調べ始める。祖父のことを知る数人に話を聞くが、そこで話されるものは各人様々な祖父像で弟姉は激しく戸惑いを覚える。しかし、そこには「臆病者」と揶揄されようとも「生きて帰って娘に会う」という強い愛情が根底に流れていたことを知り驚く。そんな祖父がどうして特攻に身を投じてしまったのか・・・
祖父・宮部久蔵を語る上で数々の戦争シーンが回想されるのだが、ここを読み飛ばすとその人となりが把握出来なくなるので根性を入れて読みこなした。正直、読み始めは目に馴染まなくて「もう少し簡潔にして欲しいものだわ」なんて思ったが、そのうちに目が馴れてしまった。(^_^;) また、あっと驚く結末に思わず涙が出てしまうのだが、ちょっと出来すぎの感は否めない。それでも読後の爽快感は最高に良かった。