馬見原橋
2011年 04月 01日
熊本アートポリスの一環
宿場町として栄えた蘇陽町馬見原の中心にかかる橋である。かたちは、道から歩いてくる人の体験の連続性を保つことを考慮して決定されたもの。ただし、単なる交通のための橋ではなく、そういう橋から人々が自然に留まれる場として橋に進化させることが試みられた。橋のたもとから中央にかけて次第に分かれる2枚の面-上面版と下面版-で構成される。上面版はシメナワのかかった夫婦岩の間に吸い込まれ、下面版は「逆太鼓橋」として川面に近づき、ふたつの丸い穴から川を見下ろす。町で育てられた杉の板張。構造としては、このふたつの面と柱によって、切れ目なく構成される一体的なもの。(熊本県庁HPより転載)
この橋の存在を知ったのは、熊本県庁が無料配布していたアートポリスマップによる。丁度、熊本市内から宮崎の高千穂に抜ける予定にしていたので、その形の面白さも手伝って寄り道することに決めた。今ならiPhoneが有ればどこでもナビをしてくれるのだが、当時は地図を片手に泣きながら山の中を走り回ったのを思い出す。(笑) ちなみに熊本と宮崎の県境のような場所だったと思うので、ひょっとしたらiPhoneは圏外になるかもしれないので、やはり地図を手放せないか。(^_^;)
画像の通りの実に不思議な形をした橋は、実際に目の前にして見るとちょっと可愛くも見えたりする。下段にあたる逆太鼓橋状態の歩行者専用部分を歩いてみると、橋を渡るという行為に一回下降してそして上昇するという動作が伴うのが実に不思議な気分にさせてくれる。足元に貼られた杉板がここの町内産であるかどうかまでは、鑑賞する側としては余り意味のあるものでは無かった。(^_^;) 全長40M弱の小規模なものだが満足感はかなり高かった。
場所:熊本県上益城郡山都町馬見原滝上地内
設計:青木淳+中央技術コンサルタンツ
施行:上部 石川島播磨重工業、下部 飯干建設
構造:変形フィーレンデール鋼橋