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建築デザインと日々徒然


by agharta_u_design
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数寄屋邑2

数寄屋邑2_b0159567_1240417.jpg
平成2年建築学会賞受賞

点在する8棟の建物のうち6棟が円を巡るように渡り廊下で結ばれ、2棟が独立している。それぞれの棟が独特な近代数寄屋のデザインを施され、全体として「邑(むら)」を構成している。また全体平面をの真ん中に仏間を配し、玄関はそれに対峙する形に設けられ、訪問客の挨拶がそのまま先祖に対しての挨拶となる様に配慮されているのが平面的に大きな特徴。また独特の形、構造を持つ屋根は、水澤工務店が1/2スケールのモデルで実証実験をしながら実物を組み立てたというのは余りにも有名な話。

玄関を入った瞬間からそのデザインの美しさ、施工精度の高さにため息が漏れる。そして渡り廊下をひとつ渡るごとに目の前に現れる独特の空間にはただただ圧倒される。正直、ゲストハウス棟ならまだしも住宅棟においてここまで華美なデザイン、空間構成が必要なのかは疑問に思うところだが、クライアント様がわざわざ石井和紘氏に依頼したのだから望まれて造られた物であるのは間違い無し。

しかし、ご招待頂けたお孫さんに色々話を聞いてみると、暑さ寒さが極端に厳しい上に美術館のようなデザイン、動線は住みづらくて仕方ないと申されていたのが印象的。(^_^;) 余りにも住みにくいので鉄筋コンクリート造で住宅部分を増築するという噂も聞こえてきたりする。部外者としてはこの美しいデザインを残して欲しいと思うのだが、実際にここで生活をされていく方にとってはまずは日々の健全な暮らしを営めることの方が優先課題になるのは当然だ。

作品名称数寄屋邑
建物用途住宅(和風),ゲストハウス
建物所在岡山県浅口郡
設計者石井和紘建築研究所
施工者水澤工務店,鹿島建設
竣工年月198910
着工年月198808
構造W,RC
地上階数2 階
地下階数1 階
敷地面積4980 平方メートル
建築面積371 平方メートル
延床面積428 平方メートル
by agharta_u_design | 2011-03-18 13:17 | 建築鑑賞