数寄屋邑1
2011年 03月 10日
設計:石井和紘建築研究所、施工:水澤工務店+鹿島建設
この作品が雑誌で発表された時のショックは今でも忘れない。何しろ現代の数寄屋建築のエッセンスが全て詰め込まれているという凄さ。8棟の数寄屋からなる住宅とゲストハウスで、軒を連ねる様に葺かれた寄棟,切妻,ドーム屋根は、銅板、瓦、テフロン膜が様様な表情を見せている。この佇まいを見るだけでもどれだけ素晴らしい建築なのかドキドキしたのを思い出す。
また施工を担当した水澤工務店、江戸数寄屋の名匠と評されながら、工事の施工水準が維持出来ないという理由で名古屋から西では一切工事をしないことでも有名な会社。そんな会社がわざわざ岡山、それも隣町の里庄にまでやって来てほぼ1年強も工事をしていたというのも驚きだし、それが一切外部に漏れていなかったというのも凄い。公になっていたら工事見学希望者が殺到していたはず。
クライアント様は地元でも有名な精密工作機械の製作会社のオーナー。コネを探せばなんとか見学させて頂けそうな気もしたのだが、さすがに既に生活をされていらっしゃる場所なので気が引けて諦めていた。それから数年を経て、偶然にもクライアント様のお孫さんと同席する機会を得たのをいいことに、図々しく見学をお願いしたらあっさりと了承を頂いてしまった。早速、希望者を募ってお邪魔することに。(。。)☆\バキ
自己変革時代の建築 数寄屋の多様化-写しの面白さ