HACCP
2010年 09月 15日
某保育園の給食施設リニュアル
老朽化に伴い熱交換率の悪い換気扇等の設備を含め大幅なリニュアルをすることになった。当然、それに伴い厨房のゾーニング、設計もHACCP(ハサップ若しくはハセップ)を導入しつつより衛生的で効率的な作業を行えるように検討を繰り返した。
HACCPとは食品の中に潜む危害(生物的、化学的あるいは物理的)要因(ハザード)を科学的に分析し、それが除去(あるいは安全な範囲まで低減)できる工程を常時管理し記録する方法である。例えば、ハンバーグを焼くときに、挽肉中の感染症や食中毒原因細菌などが,ハンバーグの中心の温度が何度にどれだけの時間経過すれば安全なレベルになるかを科学的に分析して、分析の結果決定した管理方法を実施して,実施した結果を記録する。これによりかつて行われていた抜き取り検査のみの管理では為し得なかった全品の安全性が高いレベルで効率よく確保され,このことを記録から証明することができる。(wikipediaより転載)
まずゾーニング的には直接、材料等が納入され、それを在庫したり洗浄したりする汚染エリアを厨房の前室に設ける。厨房自体は全体を非汚染エリアとし、汚染エリアから洗浄された食材等が持ち込まれ調理加工する準清潔エリア、準清潔エリアで調理された食材を盛り付け、配膳準備をする清潔エリアに2分した。準清潔エリアと清潔エリアは床にテーピングして作業者に注意を喚起するようにした。
設計に関してはまずそれまでの水を使って床を掃除するウェット方式から水を使わないドライ方式に変更。床仕上げ材も溶着することにより雑菌が貯まりやすいジョイント部分を廃し、床材をそのまま壁へ立ち上げることにより、やはり雑菌が貯まりやすい床と壁の取り合い部分を廃した。壁材は調理廻りはステンレス、その他は光沢のあるタイルで仕上げ、雑菌が貯りにくく洗浄のし易いものとした。設備的には24時間換気とは別に調理廻りの排気は自動給排としエアコンによる適切な温湿度管理が出来るよう考慮した。
上画像がリニュアル前の厨房、中画像がリニュアル後の清潔エリア、下画像が同じくリニュアル後の準清潔エリア。全体に柔らかい色使いにすることによりリラックスして作業をして頂く、給食の盛り付けの彩りを把握し易い環境としてみた。但し、こちらの方は狙ったとおりの効果が得られたかどうかは未確認。(。。)☆\バキ